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* グラスホッパー* 伊坂 幸太郎


グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)
伊坂 幸太郎 / / 角川書店
スコア選択: ★★★★★

 愛する妻をまるでおもちゃのようにひき逃げされた
「鈴木」が復讐のため ひき逃げしてノウノウと暮らしている息子の父親が経営する
令嬢という名の会社に社員として潜入する

今まさに復讐しようとした矢先 目の前で男が車にひかれる瞬間を目撃する
それはどうやら「押し屋」という殺しやの仕業らしい

押し屋を尾行するよう令嬢の社員に命令されその家とつきとめる鈴木

しかし それとは別に 自殺専門の殺し屋「鯨」とナイフ使いの殺し屋「蝉」も
「押し屋」を追い求める

それぞれの思惑が集結して 鈴木のもとに「鯨」 「蝉」が集まった時
息詰まる展開の終結に結びついていく



再読です 
前は図書館で読んだのですがとても面白かったので文庫になるのを待って購入

(本屋で買ったのをすっかり忘れて古本屋でも購入したので2冊あり泣)

かっこいいといってはいけないけれど プロの殺し屋の鮮やかな仕事が
ちょっとかっこよかったりして

鯨は 彼の前に立つと自分が暗い渦に飲み込まれ後ろ暗い過去を思い出し
フラフラと死にたくなる そして標的が勝手に自殺する という殺し屋


蝉はナイフ使いの天才で 一家皆殺しが得意な若者

押し屋は 誰にも気づかれないようにそっと標的を「押し」て車にひかせる殺し屋


鈴木はいたって普通の元教師ですが 亡き妻の声に励まされ
「がんばり」ます


中盤過ぎからは押し屋を求めて 鯨と蝉が集まり(それぞれ動機は全く別物)ます


プロの殺し屋が一か所に集結した時どうなるか


はらはらドキドキのハードボイルドチックな展開でとてもわくわくしながら
読みました

2冊になってしまった本は(何度同じ失敗するんだろう・・)読書好きの
お友達にあげよう




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# by rururumaple | 2008-10-13 13:31 | 伊坂 幸太郎

*月の扉* 石持 浅海

月の扉 (光文社文庫)
石持 浅海 / / 光文社
ISBN : 4334740456
スコア選択: ※※※※※


沖縄・那覇空港で乗客240名を乗せた旅客機が
ハイジャックされた 犯行グループ3人の要求は 那覇警察署に留置されている彼らの
「師匠」を空港まで 「連れてくること」

ところが着ないのトイレで乗客の1人が死体となって発見され
事態は一変する

~裏表紙より


とても面白かったです

犯人グループはなぜ師匠の解放を求めないで 連れてくることを要求したのか
ハイジャックされた飛行機の中でなぜ殺人がおこったのか



座間味くんという乗り合わせた乗客が 犯人グループの1人に殺人事件の
解明を命令されて 最後はとうとう解明します

その座間味くんがとてもいい奴^^

師匠である石嶺氏を心から信じた上でのラストの悲劇

登場人物が魅力的で 全員の心がわかりつつ読んだので(石嶺さんに私も会って
みたかった・・)ラストは悲しすぎました


石持さんの作品は 水の迷宮と そして扉は閉ざされたを読んだことがあります
水の迷宮は ん?て感じだったけど そして~はかなり面白くて
この月の扉はめっちゃ面白かったです

なのでamazonでたくさん購入しちゃいました(;^ω^A
お金が~ 本代にかかるお金がああああ

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# by rururumaple | 2008-10-12 23:10 | 石持 浅海

*赤いべべ着せよ* 今邑 彩

赤いべべ着せよ… (角川ホラー文庫)
今邑 彩 / / 角川書店
ISBN : 4041962013
スコア選択: ※※

鬼に我が子を食い殺された女
腹を裂かれ 血まみれの我が子はまるで赤い着物を着ているようだ
女はやがて鬼になり人の子を・・


そんな鬼女伝説が残る町に娘を連れて20年ぶりに帰郷した千鶴は
幼馴染のひとりに幼い娘が扼殺され古井戸に投げ込まれたことを知る

それは 同じ場所で20年前に起きた幼女扼殺事件と状況がそっくりだった
やがて他の幼馴染の子供達も次々と殺されていく

鬼は誰か?
「ことろ」の童謡が恐怖を呼ぶ 戦慄の長編ホラー 
 文庫あとがきより



これは^^;

久し振りに読み終えた後脱力~
すごくよくて脱力じゃなくて 一体何だったんでしょと脱力です

途中で犯人わかっちゃったしラストも強引すぎるというか どうしてこういう
展開?みたいな感じに終わってしまって あらあらってなっちゃいました


今邑さんの作品は面白いものとそうでないものの差が激しいなあ
あくまでも私的な主観ですが・・


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# by rururumaple | 2008-10-09 22:01 | 今邑 彩

*火の粉* 雫井

火の粉 (幻冬舎文庫)
雫井 脩介 / / 幻冬舎
ISBN : 434440551X
スコア選択: ※※※※※




裁判官だった梶間 勲はある男に無罪をいいわたし死刑判決
から
救った形となる 2年後 その男が勲の家の隣に越してくる
武内(その男)は あふれんばかりの善意で梶間一家の心をつかむ

愛嬌のある笑顔 気のきいた贈り物 老人介護の手伝い・・

しかし 武内が隣に越してきてから梶間家の周りで不審なことが次々とおこり
家族がバラバラになりかける

武内は本当に無実だったのか 勲は正しい判決をくだしたのか  


どっぷりのめりこんで一気読みでした
人物描写がとても上手で 特に小さい娘の母親(梶間家のお嫁さん)である
雪見に感情移入しちゃって 武内のいかがわしさを必死で暴こうとするのに
空すべりばかりして どんどん不利に追い込まれるところなどは
じれったくてしかたなく 能天気な梶間家の長男(雪見の夫)に腹がたってみたり

迫力ある怖さではなく ねっとりとねばりついてくるような怖さでした
雫井さんの作品はクローズドノートと犯人に告ぐを読了してますが
どれもすごく面白いです

大好きな作家さんに仲間入り(^-^)




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# by rururumaple | 2008-10-07 20:53 | 雫井 脩介

*つきまとわれて* 今邑 彩

つきまとわれて (中公文庫)
今邑 彩 / / 中央公論新社
ISBN : 4122046548
スコア選択: ※※※※



おまえが犯人だ
帰り花
つきまとわれて
六月の花嫁
吾子の肖像
お告げ
逢ふを待つ間に
生霊


の7つの短編からできてます
話しのつながりはないものの 前の作品に出てきた誰かが次の話に
登場するしかけ?になっています

短編て0から読む感じがするけれど 前の作品で少しなじんだ感のある
登場人物がいるだけで何となく 2くらいから読み始める感じ

どれも面白かったですけれど個人的に好きなのは

どんでん返しでびっくりしたおまえが犯人だ
幼いころに家出した母親にまつわるありえない記憶を描いた帰り花
ある絵画に隠された秘密に迫る吾子の肖像

が好みかな

どれも些細で身近な謎ですが(第1話だけは殺人あり) 謎解きのように
面白く読めました


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# by rururumaple | 2008-10-06 23:06 | 今邑 彩